歯周病の検査と治療

歯周病の治療は、一般的に一通りの検査の後、「歯周基本治療」「歯周外科治療」「口腔機能回復治療」「メインテナンス」といったものに分かれますが、各治療やメインテナンスごとに、「再検査(再評価)」を行って、治療の効果や、再発の有無などを確認していくものとなります。すぐにでも治療を開始してほしいというお気持ちは当然あることと思いますが、歯周病治療からメインテナンスの流れなでをより効果的に行っていくためにも、しっかりとした検査を行い、現在の状態を精密に把握し、患者様お一人おひとりの治療計画を立てることが鍵となります。

清掃状態の検査

歯の清掃状態をチェックします。一見してよく磨けているような歯でもプラークのみがき残しがあるものです。

専用の歯垢染め出し液を歯に塗布することによって、みがき残しの部分は赤く染まります。ご自身で常日頃みがき残している部分をチェックシートに色を付けて記録していきます

歯周ポケットの深さ・出血の有無の検査

プロービングでは、プローブという専用の器具を使用して「歯周ポケットの深さ測定」「炎症の有無(歯肉からの出血の有無)」をチェックしていきます。プローブは非常に細い棒状の器具で、先に目盛りがついており、これを歯周ポケットに差し込むことで、どの程度歯槽骨が失われているかがわかります。炎症がある場合にはこの時点で出血が見られます。歯1本1本について確認して、チェックシートに測定結果を記録します。

歯の動揺度の検査

ピンセットなどの器具を使用して「歯の動揺度」を検査します。歯1本1本について確認します。前歯部では切縁を挟み、臼歯部では咬合面の小窩に先端を押し当てて動かし、その時の力の強さと歯の動き具合で測定をします。チェックシートに測定結果を記録します。

Millerの動揺度判定基準

・0度(生理的) 0.2mm以下 ※ほとんど動くと感じない
・1度(軽度) 唇舌側方向にわずかに動く ※約0.5mm動く(0.2~1.0mmの範囲)
・2度(中等度) 近遠心方向にも動く ※唇舌側的には約1mm以上動く(1.0~2.0mmの範囲)
・3度(高度) 唇舌側的に2mm以上で垂直方向(歯軸方向)にも動く

レントゲン撮影

歯槽骨の状態を調べるためにレントゲン検査を行います。レントゲン検査では、歯槽骨が歯周病でどの程度失われてしまったかをより正確に知ることができます。

口腔内写真撮影

口腔内カラー写真を記録しておくことで、患者様へのご説明や、治療の成果の比較などに使用することができます。また、治療計画を立てる際にも有効です。歯周病治療では歯茎の色なども確認する必要があります。