基本的な歯周病治療の流れ
歯周病は基本的に「完治」する種類のものではありません。そのため、いかに歯周病の進行を食い止め、歯周組織の炎症をおさえ、歯周組織を健康な状態まで戻し、その状態を維持し続けるかということが大切になります。歯周組織を健康な状態に戻すためには、「歯科医院での治療」とその後の「メインテナンス」そして「セルフケア」を行っていく必要があります。
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- 1. カウンセリング
- まずは患者様のお話を詳しくお伺いします。主訴、現病歴の有無、全身疾患の有無、アレルギーの有無、内服薬について、全身的リスク因子、環境リスク因子などについてを把握します。
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- 2. 歯周病検査
- 歯周組織の状態を詳しく検査します。視診、歯周病検査、エックス線検査、咬合診査などを行い、細菌感染と炎症の程度(プラークコントロールレコード、歯肉炎指数、プロービング時の出血、細菌検査)について、歯周組織の破壊の程度(プロービングデプス、クリニカルアタッチメントレベル、骨吸収度、根分岐部病変)について、咬合の状態(動揺度、早期接触、ブラキシズムなどの悪習癖)について把握します。エックス線画像では、歯槽骨レベル、歯石の沈着、根分岐部病変、歯根膜腔の拡大、根尖病巣、う蝕などについて確認します。
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- 3. 診断
- 原因による分類を行い、1歯単位で診断します。歯周炎の重症度・複雑度は4つのステージに分類、歯周炎の進行リスクは3つのグレードに分類(喫煙や糖尿病をリスクファクターとして勘案)されます。
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- 4. 治療計画の立案
- 患者様の主訴や希望、患者背景や全身状態、診断結果、病因因子とリスク因子、必要な治療や予後、歯周基本治療で重点を置く項目、術者の技術力などを考慮し、患者様お一人おひとりに合わせた治療計画(治療内容・治療順序)を立てます。
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- 5. 歯周基本治療
- 治療計画に従って、口腔衛生指導、歯肉縁上スケーリング、スケーリング・ルートプレーニング(SRP)、咬合調整、暫間固定、抜歯せざるを得ない歯の抜歯、プラークリテンションファクターの改善(歯石、不良修復補綴物、う蝕、くさび状欠損など)、悪習癖の修正(ブラキシズム、口呼吸など)、全身性疾患の把握(医科との連携)、環境因子の改善(禁煙指導,生活習慣の改善など)など、患者様お一人おひとりに合わせた適切な治療を進めていきます。
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- 6. 再評価検査
- 歯周基本治療が終了した時点で再び歯周病検査を行い、治療前後を比較して効果を判定します。そして、原因因子、リスク因子の改善状態、治療反応性(効果の出やすさ)、治療に対するモチベーションや理解度などを考慮した上で、当初の治療計画の遂行または計画の修正・見直しを行います。
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- 7. 効果が得られない場合
- 深い歯周ポケット、垂直性骨欠損、根分岐部病変など歯周外科治療の適応症例の場合、歯肉・歯槽粘膜の異常、歯肉増殖や歯肉縁下う蝕、中等度から重度進行症例の場合、疾患感受性が高いなどの問題のある場合は、それぞれ「歯周外科治療」や「口腔機能回復治療」など、適切な治療が必要となる場合があります。
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- 8. メインテナンス(定期的)
- 治療効果が表れて歯周組織が健康な状態になっても歯周病を再び悪化させず、健康な状態を維持していくためには定期的な治療が必須です。 3~6ヶ月ごとのメインテナンスの受診をお勧めします。
再評価と定期検診
歯周病の治療は「治療をして終わり」というようなものではないことは前述のとおりです。歯周病治療の特徴として歯周組織の状態を可能な限り良い状態に近づけたら、その状態を維持管理していくことが大切となります。そのため、一通りの治療終了後、少し期間を空けてもう1度、歯周ポケットの深さを測定して治療後の歯周組織の状態を把握します。そしてその結果をもとに治療計画の変更などを行っていきます。改善が見られない場合、ハミガキに原因が有ればその練習を行い、再度の処置が必要な場合は再び歯周ポケット内を清掃を行うなど、その状態に合わせて適切に対応していきます。
歯周組織の状態が落ち着いている場合は3~6ヵ月期間を空けて頂き、再来院の際に再び歯周ポケットの測定等の検査を行い・・・という流れの繰り返しになることをご理解ください。歯周組織の状態が落ち着いたように見えても、あっという間に悪化することもありますので、自動車の車検の様に、年に数回、定期的に歯科医院でメインテナンスを受けることが重要になります。
定期検診の時期が迫った患者様には、医院側から御予約をお薦めするなども行っております。