予防と生涯医療費

平成29年度の厚生労働省の推計によると、生涯医療費の平均は、男性で「2,622万円」、女性で「2,831万円」、男女平均で「2,724万円」となっています。3割負担で考えると、男女の平均の自己負担額は「817万円」になります。

生涯医療費が安くなる?

トヨタ関連部品健康保険組合と豊田加茂歯科医師会の共同調査によると、定期的に歯科医院に通院し、歯の健康維持を続けてきた人は、生涯医療費が平均よりも安くなることがわかりました。

組合員5万2600人の2009年度の医療費と受診歴のデータを分析、歯石除去など予防を目的に定期的に受診した人602人を対象に総医療費を調べた結果、定期的に歯科を受診している人は48歳までは平均よりも医療費が高くなっており、49歳を超えると平均よりも安くなり、その差はどんどん広がっていくことがわかりました。

歯の健康と生涯医療費

トヨタ関連部品健康保険組合ではこの調査結果について、歯が悪いと食事が偏ったり歯並びが悪くなったりすることで、糖尿病や肩凝り、骨粗しょう症を招き、体全体の健康に影響するという分析をしています。

歯を失うことや歯周病が、様々な全身疾患リスクを高めることがわかっています。歯の健康を守ることは、全身の健康を守ることにつながり、結果として生涯医療費の節約につながるのです。

生涯医療費の増加を抑えるには

歯周病は再発もしやすく、歯を支える骨が溶かされ、多くの人が歯を失ってしまいます。一度失った歯槽骨は元通りには回復しません。 そのため定期メインテナンスによって「悪くしない」ことが最も大切です。将来に1本でも多くの歯を残し、健康を維持して生活の質(QOL)を悪くしないで快適な生活を送るため、そして生涯医療費の増加を抑えるためにも、歯科医院で定期メインテナンスを受けることが大切です。