歯周病に完治はあるのか?
歯周病は歯周病菌によって歯槽骨が失われていってしまう恐ろしい病気です。失われた歯槽骨などの組織はわずかであれば歯周組織再生療法によって取り戻せるケースもありますが、多くの場合元どおりに戻すことはできません。また基本的に「完治」という状態になる病気ではなく、一般的に歯周病が「治った」というのは、歯周組織の炎症が無くなり、安定した状態のことをいっています。歯周病菌を激減させ、歯周病が進行する原因が極小化されていくことで炎症がおさまっていきます。この状態になっても、しっかりプラークコントロールを続け、定期メインテナンスを受け続けることで、炎症の無い状態を維持し、再び歯周病が再発して歯周組織の破壊が始まることを抑え込んでいくことが可能となります。つまり、治療の効果が出て症状がおさまっても、その状態を保ち、コントロールしていく事が重要になります。このようなことから、歯周病治療では完治というよりも症状を無くしていき、維持していくという点から、完治は無いともいえます。
歯周病治療には通院が必要です
歯周病では歯周ポケットの中や歯の根の部分まで歯垢や歯石が溜まり感染部分がさらに奥へと進んでいきます。進行している歯周病の場合には、全ての歯の歯周ポケットの中の汚れを除去する必要があるため麻酔をかけて治療を行います。ただ、基本的に一度で全ての歯を麻酔して一気に治療を行うようなことは身体的な負担や治療時間が長時間に及ぶことなどから難しいため、通院する必要があります。また、歯周病治療では、いくら歯科医院で汚れを除去しても、ご自身で行うセルフケアを継続しなければ、再発して治療も無駄になってしまいます。そのため、歯科医院での治療も通院が必要ですし、毎日、セルフケアによるプラークコントロールが欠かせません。
プラークコントロールの継続が必要
徹底したプラークコントロールが治療成功のカギです
歯周病治療を成功させ、症状を抑え込んで健康な状態の歯周組織で安定させていくには「プラークコントロール」がカギとなります。歯科医院での治療だけでなく毎日ご自身で「歯ブラシ」「歯間ブラシ」「フロス」などを使用して徹底的にプラークを除去し続けます。
磨き残しが約8割も
ハミガキに自信があるという方も、自己流のハミガキでは約8割の人に磨き残しがあるといわれています。そのため、歯科衛生士による定期的なチェック(プラークの染め出し液を使用して視覚的に確認する)やハミガキ指導を受けることが大切です。